イエティやビッグフットなどの類人猿型UMAの総称である雪男が話題です。
この記事では実際に撮影された雪男の写真や映像、実在するかどうか、その正体や目撃談や伝説のある場所、イエティとビッグフットの違いなどについてまとめました。
この記事の目次
雪男は雪深い山中や山奥に実在するとされるUMA(未確認動物)の総称
「雪男」とは、雪深い山中や山奥に実在するという伝説が世界のあちこちで残る、類人猿型のUMA(未確認動物)の総称です。
雪男に分類されるとされるUMAのうち代表的なものは、ヒマラヤ山脈一帯に目撃談や伝説が残る「イエティ」、北米大陸全域で目撃談や伝説が残る「ビックフット」があります。また、日本の広島県の中国山地の比婆山連峰で目撃談や伝説が残る「ヒバゴン」なども雪男の一種と言われる事があります。
ここでは、主にイエティとビッグフットについてを中心に紹介していきます。
雪男の特徴
雪男の特徴については、UMAだけあってはっきりとした事はわかっていません。
「イエティ」に関しては、全身が長い体毛(色は白や灰色、茶色など)に覆われていて、身長は2mを超える巨大なものから150~165cmほどの人間の女性サイズほどのものがいて、体型はずんぐりした類人猿型で、直立二足歩行をするとされています。
「ビッグフット」に関しては、身長は2メートルから最大で6メートルにもおよび、筋骨隆々の堂々とした体格をしていて、顔面以外の全身に褐色か灰色の毛が密生しているとされ、直立二足歩行をすると言われています。
「ヒバゴン」に関しては、身長は150cmほどでずんぐりむっくりとした体型で、体中が黒か濃い茶色の毛で覆われ、顔は三角形で目がつり上がったギョロ目だと言われています。また、直立ではないものの二足歩行が可能だとされています。
雪男(イエティ)とされる写真
上の写真は、1986年にイギリス人のアンソニー・ウールドリッジがヒマラヤの単独登山中に撮影したものです。
ウールドリッジは遠方の斜面に佇んでいるイエティらしき影を発見して撮影しました。ウールドリッジはこれを45分間観察したという事ですが、影が動き出す事はなかったそうです。最終的に岩を見間違えたのだろうという結論が出ましたが、当時はイエティの姿を初めて捉えた写真として大きな話題を呼びました。
上の写真は、1996年にネパールの山中で撮影された雪男(イエティ)の姿を初めて捉えたものだとされています。しかし、これの元ネタは、アメリカのフォックス・テレビのプロデューサーによる作り物の映像である事がわかっています。(上の写真のイエティは人間が着ぐるみを着たもの)
雪男(イエティ)の足跡の写真
下の写真はイエティの足跡とされる写真です。
この写真は、1951年11月にイギリスのエベレスト登山隊が発見して撮影したもので、「ロンドンタイムス」に掲載されています。この写真掲載をきっかけに、世界的な雪男ブームが起こっています。上の写真のイエティのものとされる足跡は、長さが約32cm、幅が約20cmだったそうです。
下の写真も「イエティ」の足跡だとされる写真です。
この写真は2019年4月30日にインド軍の公式Twitterに投稿されたもので、ヒマラヤ山脈のエベレスト東方のマカルー山のベースキャンプ近くで、インド軍山岳遠征隊によって発見されたものだという事です。
インド軍Twitterによると、足跡の大きさは縦幅が81cm、横幅が38cmほどだという事です。また、過去にはこの足跡が発見されたマカルー山が含まれるマカルー・バルン国立公園の別の場所でイエティが目撃された事があるそうです。
For the first time, an #IndianArmy Moutaineering Expedition Team has sited Mysterious Footprints of mythical beast ‘Yeti’ measuring 32×15 inches close to Makalu Base Camp on 09 April 2019. This elusive snowman has only been sighted at Makalu-Barun National Park in the past. pic.twitter.com/AMD4MYIgV7
— ADG PI – INDIAN ARMY (@adgpi) April 29, 2019
雪男(ビッグフット)とされる写真
雪男の一種と言われる事もあるアメリカのUMA「ビッグフット」の写真は数多く出回っていますが、そのうちの代表的なものや近年に撮影されて話題になったものなどを紹介していきます。
出典:https://hips.hearstapps.com/
上の写真は、ビッグフットを捉えたとされる有名な「パターソン・ギムリン・フィルム」からの1コマです。この映像は1967年の10月、カリフォルニア北部の森林で撮影されたとされるもので、長らくその真偽が議論の対象になっています。
下の写真は、ビッグフットの目撃多発場所であるアメリカ・ミシガン州北部のキャンプ場「バウンダリー・ウォーター・カヌー・エリア・ウィルダネス」で2018年に撮影されたものです。
撮影者はこの場所に釣りに訪れていた男性で、全身真っ黒な毛むくじゃらの生き物がうずくまっているのを発見し、慌ててスマホで写真を撮影したそうです。
この生き物は急に立ち上がったそうで、身長は180cmくらいはあったという事です。目撃者の男性によると、熊ではなかったそうで、サイズ的にはビッグフットの子供ではないかと思ったとの事でした。
下の写真は、アメリカ・アイダホ州で撮影されたビッグフットらしき何かを捉えた動画からの1コマです。
出典:https://livedoor.blogimg.jp/
この写真の元となった映像は、イエティやビッグフット、ドッグマンなどの人型のUMAを主に扱うカナダのYouTubeチャンネル「Nv Tv」に2021年に投稿された動画です。
雪男(イエティ)の目撃情報や伝説がある場所はヒマラヤ山脈やシベリア
「雪男」の1種とされている「イエティ」の目撃情報や様々な伝説が残る場所は、地球上で最も標高の高い地域であるヒマラヤ山脈一帯です。また、ロシアのシベリア地方南部の山岳地帯にもイエティが生息するという説も存在します。
イエティ発祥の地とされるチベットのタルガ村に残る伝説
イエティの伝説の発祥地とされるのは、ソル・クーンブ地方に住む、チベット系民族のシェルパ族で、この人々の一部が住むタルガ村にイエティの伝説が残っています。
このタルガ村に残る伝説によると、昔、村の近くのギュスンカという山の中腹にイエティの群れが住んでおり、毎年ジャガイモの収穫期になると、夜な夜なイエティの集団が降りてきて畑を荒らし、村の人々を困らせていたそうです。
そこで人々は、イエティが村の人々の行動を真似する習性を利用し、まず村人たちは酒宴を開き、その後で竹刀でチャンバラ劇をして見せた後、酒に毒を混ぜて、竹刀を本物の刃に替えてその場所に置いておきました。
翌朝、その場所には、毒を飲んだ後に刃で斬り合いをしたイエティの死体の山ができていたそうです。唯一、山には子供を妊娠したメスのイエティが残っており、この生き残りの一体は山中へと姿を晦ましたそうです。伝説によれば、現在目撃されているイエティは全てこのメスの子孫なのだそうです。
チベット仏教で伝わるイエティの伝説
また、一部のチベット仏教徒の間では、イエティは風のようなもので、声は聞こえても普通は目には見えず、もし目にしてしまうと病気になるという伝説が残されています。
現地のある老人は、夜にカンチェンジュンガ山に行った時に、すぐ近くで「ヒューヒュー」という風の音のような生き物の呻き声を聞いたが、ランタンの光を向けても何も見えない、次の日に同じ場所へと行ってみると大きな足跡が残されていたとする自身の体験談を話しています。この方はこの体験から、イエティの伝説を信じているという事です。
雪男だとされるイエティとビッグフットの違い
共に「雪男」に分類される事があるイエティとビッグフットですが、この2つは明確な違いが多くあります。
イエティはチベット地域の伝承が元になっており、ヒマラヤ山脈一帯に目撃談や伝説が残されている一方、ビッグフットが目撃されたとされる場所はほぼ全て北米大陸です。
身体的な特徴も大きく違い、イエティが白や灰色系の長い体毛を持ち、身長は最大でも2メートル超から160cmほどの個体もされているのに対して、ビッグフットは全身に褐色か灰色の毛が生えており、体長は2メートルから最大で6メートルにも達するとされています。
また、出没するとされる場所も違い、イエティがヒマラヤ山脈やシベリア地方などの雪山でしか目撃されていないのに対して、ビッグフットは北米大陸全土の山岳地帯から森林地帯で広く目撃されており、積雪する冬季だけでなく全ての季節での目撃談が存在します。
雪男(イエティ)は実在せず正体は熊とする説が有力になっている
出典:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/
古くから数々の目撃情報や伝説が残るイエティですが、最近の研究の結果、実在はしておらず、その正体は熊などの動物だとする説が有力となっています。
イエティなどの雪男が実在しないとされる根拠としては、2017年にアメリカの研究者らの発表内容が挙げられています。
この研究チームは、世界中からイエティが実在する証拠とされて保管されてきた体毛、骨や歯、皮膚、排泄物などを集めてDNA分析を行いました。その結果、それらの全て(歯の中には犬のものもあった)が、ヒマラヤとチベットに生息するヒグマの亜種か、あるいはアジアクロクマ(ツキノワグマ)である事が特定されました。
このほど、イエティの毛、歯、毛皮、排泄物などとされている「証拠」のDNA分析により、イエティ伝説の謎が解き明かされた。11月29日付けの「英国王立協会紀要B(Proceedings of the Royal Society B)」に発表された分析結果は、イエティの正体がこの地域に生息するヒグマとクロクマ(ツキノワグマ)であることを強く示唆している。
この発表内容から、イエティは実在はしておらず、同地域に生息する熊を吹雪の中などで見間違えた事などから伝説化したというのがその正体ではないかとする説が有力とされています。
雪男の正体は未知の巨大類人猿やギガントピテクスの生き残りだとする説
イエティやビッグフットを含む雪男と言われるUMAの正体は全て、未知の巨大類人猿や過去に実在した大型類人猿のギガントピテクスの生き残りではないかとする説も存在します。
ギガントピテクスは、発見されている下顎骨と歯の化石から身長は約3mと推測され、これまでに発見されている中で最大の霊長類で、その想像図はイエティやビッグフットなどの特徴とよく似ています。
また、イエティの目撃談や伝説が残るヒマラヤ山脈には今も人の手が入っていない豊かな自然と生態系が残されている事や、新たな新種の生物が次々と発見されている事などから、雪男の正体は、未知の大型類人猿ではないかとする説も存在します。
雪男(ビッグフット)の正体は別次元からやってくるUMAだとする説も
北米大陸で多くの目撃談があるビッグフットの正体については、アメリカの呪術師でビッグフットと何度も会っていると主張するマーガレット・カールソンという女性が、別次元からやってくる存在だと主張しています。
このマーガレットさんによると、ビッグフットは通常は人間の住む世界とは別の次元に存在しており、人間に何かをもらいたいときだけ姿を見せるのだそうです。マーガレットさんはビッグフットが現れると、いつもタバコか魚を渡すそうで、それを受け取るとビッグフットは満足して元の次元へと帰っていくのだとか。
まとめ
今回は、イエティやビッグフットなどのUMAを指す総称である「雪男」についてまとめてみました。
雪男とも呼ばれるUMAイエティやビッグフットの写真や映像はこれまでに何度も発表されていますがその多くは作り物だとされており、実在を示す決定的な証拠とはなっていません。
雪男とも呼ばれるこれらのUMAのうち、イエティの目撃談や伝説が残る場所はヒマラヤ山脈一帯とシベリアの南部。ビッグフットの目撃談がある場所は北米大陸一帯です。
雪男の正体についてはそれらの場所に生息する熊を見間違えたとする説が有力とされていますが、過去に実在した史上最大の霊長類のギガントピテクスの生き残りとする説や、未知の類人猿とする説も存在します。また、ビッグフットの正体に関しては、別の次元の存在とする説を唱えている方もいます。